MicrosoftのOfficeソフトに関する、知識とスキルの証明になるMOS資格（マイクロソフト オフィス スペシャリスト）は、2種類のレベルがあります。MOSのなかでも、「エキスパート」と呼ばれる上級資格は、高度な知識とスキルの証明となる資格です。
この記事では、MOS資格のエキスパートに関する概要や、資格を取得するメリットなどについて解説します。ぜひ参考にしてください。
MOS資格にはスペシャリスト・エキスパートの2種類がある
MOS資格は、Word・Excel・PowerPoint・Outlook・Accessの5科目に分かれています。なかでも、Word・Excel・Accessの3つでは、一般レベルのスペシャリストと上級レベルのエキスパートに分かれており、それぞれで出題範囲や難易度が異なります。
スペシャリストは、一般的なツールの操作に必要な基礎知識が中心となり、初心者でも合格が目指せるレベルです。一方エキスパートは、基礎知識に加え、より高度な応用スキルが求められ、スペシャリストよりも入念な対策が必要となります。
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MOS資格でエキスパートがある科目と出題範囲
MOS資格でエキスパートがある科目は、Word・Excel・Accessです。以下では、それぞれの出題範囲について詳しく解説します。
Excelのエキスパート試験
MOS資格のExcel科目は、現在2016、2019、365の3つのバージョンで実施されており、それぞれにスペシャリストとエキスパートがあります。出題範囲は被っている部分もありますが、細かく異なる場合があるので注意が必要です。
大まかな出題範囲は、以下の通りです。
| ブックの管理・設定 | ・共同作業に伴うブックの準備 ・言語オプションの設定（2019のみ） ・ブックの校閲管理（2016のみ） |
| データ管理や書式設定、レイアウトの適用 | ・既存データをセルに入力 ・表示形式や入力規則の適用 ・細かい条件付き書式やフィルターの適用 など |
| 高度な数式・マクロの設定 | ・関数による論理演算 ・関数によるデータ検索 ・トラブルシューティングの実行 ・マクロの作成 など |
| 高度なグラフ・テーブルの管理 | ・高度な機能によるグラフ作成・変更 ・ピボットテーブル・ピボットグラフの作成・変更 |
どのバージョンの試験も、パソコンを使った実技試験のみとなっており、試験時間は50分です。
Wordのエキスパート試験
Wordは、現在2016、2019、365（2024年4月16日開始）の3つのバージョンで実施されており、それぞれスペシャリストとエキスパートを実施しています。それぞれ機能が異なるため、出題範囲に注意が必要です。
大まかな出題範囲は以下の通りです。
| Word 365エキスパート | ・文書のオプション管理・設定 ・高度な編集機能や書式設定機能の利用 ・ユーザー設定のドキュメント要素の作成 ・高度な Word 機能の利用 |
| Word 2019 エキスパート | ・文書のオプション管理・設定 ・高度な編集・書式設定 ・ユーザー設定によるドキュメント要素の作成 ・高度な機能の活用 |
| Word 2016 エキスパート | ・文書のオプション管理・設定 ・高度な文書デザイン ・高度な参考資料の作成 ・ユーザー設定による要素の作成 |
Accessのエキスパート試験
Accessは、2016と2019の2つのバージョンで試験が実施されています。試験のレベルは、2016バージョンまではスペシャリストと位置付けられていましたが、2019からはエキスパートに位置づけられるようになりました。ただし、難易度に変化はありません。
以下では、Access2019エキスパートの出題範囲を紹介します。
| データベース管理 | ・データベース構造変更する ・リレーションシップとキーの管理 ・データの印刷・エクスポート |
| テーブル作成・変更 | ・テーブル作成・管理 ・レコードの管理 ・フィールド作成・変更 |
| クエリの作成・変更 | ・クエリの作成・変更および実行 |
| レイアウトビューによるフォームの変更 | ・フォームのコントロール設定 ・フォームの書式設定 |
| レイアウトビューによるレポートの変更 | ・レポートのコントロール設定 ・レポートの書式設定 |
MOS資格のエキスパートを取得するメリット
MOS資格の上級レベルにあたるエキスパートを取得すると、以下のようなメリットが期待できます。
ツールを効率的に活用できる
エキスパートでは、条件付き書式などのように、業務効率を向上させる上級レベルのスキルが身につきます。Officeツールを最大限活かせるようになるため、生産性が向上するでしょう。また、パソコンでの作業が格段に効率的になり、成果につながることで自信にもなります。
就職・転職で有利になるケースもある
スペシャリストのレベルでも、一般的なOfficeソフトの操作スキルは身につくため、アピールになります。しかし、一般レベルのスペシャリストは、比較的簡単に合格を目指せるため、他にも持っている人がいるかもしれません。
一方、エキスパートは、より高いレベルでスキルを身につけている証明になります。就職や転職の際には、評価の差別化が図れるため、有利に選考に進められるでしょう。
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MOS資格はスペシャリストとエキスパートどっちがおすすめ？
MOS資格を取るなら、スペシャリストとエキスパートのどちらが役に立つのでしょうか。ここからは、目的別におすすめのレベルをご紹介します。
業務に活かすならスペシャリスト
一般的なパソコン操作を伴う業務に活かせるレベルで、パソコンスキルを身につけたい人は、スペシャリストのレベルで問題ないでしょう。初心者からでも合格が目指しやすいため、気軽に挑戦できます。難易度は比較的低いとはいえ、スペシャリストでも、一般的な業務で活用するスキルは十分身につきます。
スキルの差別化を目指すならエキスパート
他の人とのスキルの差別化を狙うなら、上級レベルのエキスパートを目指すのがおすすめです。高度な機能の活用により、業務効率の向上やも目指せるため、すでにある程度のパソコンスキルを持っている人のスキルアップとして適しています。MOS資格は、スペシャリストから受けなければならないなどの決まりはないため、最初からエキスパートに挑戦するのも可能です。
スキルを網羅したいなら両方の取得もあり
MOS資格のなかでも、ExcelとWordは、スペシャリストとエキスパートで出題範囲が異なるため、両方取得すれば網羅的に知識やスキルが身につきます。基礎もしっかり固めたうえで、応用スキルも学びたいという場合は、スペシャリストからエキスパートを目指すとよいでしょう。
なお、スペシャリスト3科目（例：Word・Excel・PowerPointなど）とエキスパート2科目（例：Word・ExcelまたはAccess）を取得することで、幅広いアプリケーション知識を持っているという証明として、「MOS Expert」という称号も与えられます。
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MOS資格のエキスパートはどのくらいの難易度？
MOS資格のエキスパートは、合格率が60％程度で、60～80%程度あるスペシャリストよりも難易度が高くなっています。
試験は1,000点満点で採点されますが、そのうち550点〜850点程度が目安となっており、確実に合格を目指すなら、700点以上は獲得できるように学習しておくとよいでしょう。出題数は50問程度で、1問20～30点ほどの点数が振り分けられるため、1問1問を大事に解いていく必要があります。
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MOS資格のエキスパートに合格するための勉強時間
エキスパート取得を初心者が目指すなら、80時間程度の勉強時間が必要とされています。あらかじめパソコンの基礎知識があれば、半分の45時間程度でも目指せるでしょう。1日2時間程度であれば、3か月程度はかかります。より短期間で学びたいなら、パソコン教室や通信講座などで計画的に学習を進めるのがおすすめです。
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MOS資格のエキスパートを取るための勉強方法
エキスパート取得の勉強方法には、以下の3つの方法があります。
テキストを使って独学で学ぶ
MOS資格に関するテキストは豊富に出ているので、活用しながら独学も可能です。ただし、エキスパートとなると、上級レベルの知識が必要となるため、動画や図表などでわかりやすく解説しているテキストを選ぶ必要があります。また、周りに詳しい人がいない場合、疑問や不明点の解決に時間がかかるケースもあるため、注意が必要です。
通信講座に申し込む
通信講座なら、効率的でわかりやすいテキストを基に、自宅で勉強できます。空いている時間を効率的に使いながら学習を進められる点はメリットです。また、質疑応答のサポートや添削サポートがついている講座であれば、初心者でも学習を進めやすいでしょう。学習期間や費用は講座ごとに異なるため、比較が必要です。
パソコン教室に通う
エキスパートに必要な知識は、MOS資格の取得サポートを実施しているパソコン教室で学ぶのもおすすめです。これまでの実績やノウハウを活用し、計画的なカリキュラムを立ててもらえます。また、専門講師によるアドバイスや指導が受けられるため、1人よりも安心です。オンラインで授業が受けられるケースもあるため、それぞれの学習スタイルにも合わせられます。
MOS資格は、ビジネスシーンで活用の多いOfficeソフトに関する知識・技術が身につく人気の資格です。認知度も広がっており、昇給や昇格の基準にしている企業も出てきました。なかでも、エキスパートのレベルは、より高度な機能が活用できるようになるため、大きなステップアップになるでしょう。
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