VBAの資格取得を応援する「パソコン教室ISA」ライターチームです。
VBAは、Microsoft Officeのソフトウェアをより便利に活用する上で強力なスキルです。VBA関連の資格を取得したいと考えている人も少なくないでしょう。本記事では、VBAの資格の概要や難易度・合格率、資格を取得するメリットおよびデメリットなど、さまざまな視点からVBAの資格について詳しく解説します。VBAの資格に関心がある人は、ぜひ参考にしてください。
「VBA」とは？
VBAとは「Visual Basic for Applications」の略称であり、WordやExcel、PowerPointなどのMicrosoft Officeソフトウェアに含まれる拡張機能の1つです。主には、Microsoft社の開発言語であるVisual Basicを用いて、Microsoft Officeソフトウェア上で動作するためのプログラムを開発するために、VBAが使用されます。
VBAを活用することで、データ集計など、Microsoft Officeを使用したさまざまな作業を自動化し、業務効率化を実現できます。
マクロとの違い
VBAはExcelやAccessなどのMicrosoft Office製品で利用できる専用プログラミング言語です。一方、マクロは、これらソフトウェアの操作手順を自動化する機能そのものを指します。Microsoft Office製品の中でも特にExcelのマクロ機能は知名度が高く、実際の業務でもよく活用されています。
マクロとVBAは無関係ではなく、VBAを使用すればより複雑な処理を行うマクロを作成できます。もちろん、簡単な処理なら、VBAのスキルがなくてもマクロの作成は可能です。
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VBAの資格とは
Microsoft Office製品で利用可能なVBAプログラミング言語の知識とスキル、マクロを組むスキルは、ExcelやAccessを多用する業務の現場で大いに重宝されます。自己が保有するVBAのスキルを客観的に証明したい場合、VBAの資格がおすすめです。
なお、日本で認知されている公式なVBAの資格は「VBAエキスパート」のみです。VBAエキスパート試験の運営および資格の認定は、株式会社オデッセインコミュニケーションによって実施されています。
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VBA資格の種類一覧
VBAエキスパートは、Microsoft OfficeのExcelおよびAccessで用いられるマクロや、VBAプログラミングのスキルを証明する資格です。VBAエキスパートには、「Excelベーシック」「Excelスタンダード」「Accessベーシック」「Accessスタンダード」の4つの資格があります。
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問題数
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試験時間
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合格基準
| 受験料 （一般・税込） | |
| Excel VBA ベーシック | 40問前後 | 50分 | 700点以上／1000点満点 | 13,200円 |
| Excel VBA スタンダード | 40問前後 | 50分 | 700点以上／1000点満点 | 14,850円 |
| Access VBA ベーシック | 40問前後 | 50分 | 700点以上／1000点満点 | 13,200円 |
| Access VBA スタンダード | 40問前後 | 50分 | 700点以上／1000点満点 | 14,850円 |
Excel VBA ベーシック（一般向け）
Excel VBAベーシックは、Microsoft Excelにおける初心者レベルでのマクロ、およびVBAプログラミングのスキルを証明する資格です。
Excel VBAベーシックの試験は、Microsoft Excelで使用されるVBAの基本文法に対する理解力や、基礎的なマクロの読解力・記述能力が問われる試験です。変数、セル・シート・ブックの操作、条件分岐、繰返し処理などのスキルのレベルが診断されます。
Excel VBA スタンダード（一般向け／ITプロフェッショナル向け）
Excel VBAスタンダードは、Excel VBAベーシックよりも高度なマクロ・VBAプログラミングのスキルを証明したい人向けの資格です。
プロパティ・メソッドなどを含むExcel VBAの基本文法への理解力、より高度なマクロの読解力・記述能力が問われる試験です。ベーシックレベルよりもさらに深い知識に加え、検索やオートフィルター、データの並べ替えなども出題範囲に含まれます。
Access VBA ベーシック（一般向け）
Access VBAベーシックは、Microsoft AccessでVBAのプログラミングやマクロの設定を行う上で初心者レベルのスキルがあることを証明する資格です。
Access VBAベーシックでは、データベースの基礎知識やVBAの基本文法をはじめ、変数や定数、配列、関数、DoCmdオブジェクト、フォームとレポート、SQLに関する基礎知識、実行とデバッグなど幅広い分野から出題されます。現場の実務で役立つ能力を備えていることの証明にもなります。
Access VBA スタンダード（一般向け／ITプロフェッショナル向け）
Access VBAスタンダードは、Access VBAベーシックよりもさらに高度な知識が問われる試験であり、Access VBAベーシックの応用編ともいえる位置付けの資格です。
Access VBAの基礎知識・文法、データベースの基礎、プロシージャ・モジュール、SQL、ADOやDAOによるデータベース操作、応用プログラミングなど、Access VBAベーシックよりも広範な分野から出題されます。
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VBAエキスパート取得の難易度・合格率
VBAエキスパートを取得する際、1,000点満点中700点以上を取ることが、4つの資格のいずれにおいても共通する合格基準です。ただし、合格基準は試験問題の更新などにより変動する可能性があります。
一方、合格率は試験ごとに異なります。株式会社オデッセイコミュニケーションズが集計した2019年5月から2023年12月までの受験者データ（※）によると、Excel VBA ベーシックの合格率は81％、Excel VBA スタンダードは59％、Access VBA ベーシックは57％、Access VBA スタンダードは46％の合格率でした。
（※）株式会社オデッセイコミュニケーションズ「試験に関するデータ」
VBAエキスパート取得に必要な勉強時間はどのくらい？
VBAエキスパートの取得に向けて試験勉強をする場合、参考書や問題集が出版されているので独学は可能です。独学で合格できるかどうか不安な場合は、VBAが学べるパソコン教室に通学するか、通信講座を利用するとよいでしょう。
VBAエキスパートの取得には、「ベーシック」の場合は1～2カ月程度、時間に換算すれば20〜25時間ほどの勉強時間、「スタンダード」の場合は数カ月～半年程度、時間に換算すれば70〜75時間ほどの勉強期間が必要とされています。
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VBAの資格を取得するメリット
VBAエキスパートの取得を通じて得られるメリットはさまざまあります。ここでは3つのポイントに分けて、VBAの資格を取得するメリットを解説します。
就職や転職での自己アピールになる
多くの企業では、総務や経理、人事など多くの事務業務の現場でMicrosoft Office製品が使用されています。Microsoft Office関連の資格として一般的なのはMOS（Microsoft Office Specialist）ですが、VBAエキスパートがあれば、Microsoft Office製品を使いこなすのにより高いスキルを保有していることの証明になります。そのため、書類審査や面接などのシーンで強くアピールできます。
仕事効率のアップにつながる
VBAの資格取得を通じてVBAのスキルを習得することで、仕事の効率アップを図ることも可能です。例えばデータの集計や分析など、それまでMicrosoft ExcelやAccess上でマニュアル操作により行っていた作業を、マクロを通じて自動化することで作業時間を大幅に短縮できます。自動化できる業務が増えれば人為的なミスも減り、全体としての作業効率が著しく向上するでしょう。
VBAスキルを求められる職場に応募できる
VBAの資格取得で得られるもう1つのメリットは、VBAが必要とされる職場に応募できる点です。こうした職場では、事務作業の効率化を図る手段としてのVBAスキルが求められます。特に人員が足りない企業では、作業効率化を進めて人材不足の解消に努める上で、VBAは重宝されるスキルです。VBA専門のプログラマーを募集する求人も見受けられます。
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VBAの資格を取得するデメリット
VBAの資格取得には、業務効率化や就職を有利に運べる点など多くのメリットがある一方、デメリットも存在します。VBAの資格取得を通じてありがちなデメリットを、3つのポイントに分けて解説します。
費用がかかる
VBA資格を取得する際のデメリットとして、まず一定の費用がかかる点が挙げられます。例えば、Excel VBAベーシックの受験料は13,200円ですが、他の3つもおおむね同程度の出費です。大半の人には無視できないコストといえます。加えて、試験勉強のために参考書や問題集を購入したり通信講座を利用したりするとなると、さらに多くの費用がかかると予想されます。
時間がかかる
資格取得に向けたVBAスキルの学習にそれなりの時間がかかるのは、本記事でもすでに解説したとおりです。VBAの基礎知識、もしくは少しでもマクロに触れた経験さえあれば、飲み込みも早く学習スピードも速まると思われます。しかし、VBAの予備知識がない、マクロに全く触った経験がない場合は、VBAの仕組みを理解するまでより多くの時間が必要でしょう。
実務に直結しない場合もある
VBAエキスパートの実際の試験内容には、選択肢形式やドロップダウンリスト形式の問題が多く含まれます。そのため、試験合格のみにフォーカスしてVBAプログラミングの勉強をした場合、資格は取得できたとしても、実務で必要なスキルが養われない可能性があります。現場で重宝されるのは、実際に作業の自動化や省力化を実現してくれるVBAスキルです。
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VBAの資格を活かせる仕事
実際にVBAの資格を活かせる具体的な仕事にはどういったものがあるのか、いくつかの職種をご紹介します。
プログラマー／SE職
プログラマーやSE職の場合、プログラミングや設計の経験、他の開発言語の知識などに加え、VBAのスキルがあれば、仕事の幅が広がります。例えばExcelやAccessをデータベースとして活用している場合や、Windows APIを利用して複雑な処理を行うケースなどにおいて、VBAのスキルがあれば、業務をより円滑に進められるでしょう。
事務職／経理職
事務職や経理職では、VBAのスキルがあれば、マクロを活用してデータの集計や加工、書式合わせなどといった反復的なマニュアル作業を自動化できます。作業の自動化を通じて、請求書や稟議書などの書類作成、レポートの作成、システム連携などのさまざまな業務をミスなく容易に進めることができるため、全体的な業務効率の向上にもつながるでしょう。
VBAスタンダードは、ExcelおよびAccessスキルにおけるVBA・マクロのスキルを証明する上で有効な資格です。資格取得に向けた勉強にはそれなりの時間がかり、特に予備知識やマクロの経験がない場合は、パソコン教室や通信講座で学ぶのがおすすめです。
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