「パソコン教室ISA」ライターチームです。
DTPはDesk Top Publishingの略で、印刷物をパソコン上で作成し、出力する工程を指す言葉です。とはいえDTPは意味合いが広く、具体的にどのようなことか想像できないという人も多いのではないでしょうか。
本記事では、DTP関連のソフトウェアや資格、DTPにおいて求められるスキルなどについて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
DTPとは?
DTPの正式名称はDesk Top Publishingで、日本語では卓上出版と呼ばれています。DTPとは印刷会社に頼らず、パソコン上で作成した印刷物を実際にプリンターなどを使って出力する工程のことを指します。
もともとは、デザインや編集、制作を専任担当がそれぞれ担っていましたが、DTPの普及により、一連の作業を1人で行えるようになりました。
DTPという概念は、アドビシステムズの前身であるアルダス社の創業者、ポール・ブレイナードが提唱しました。日本では1987年に「Page Maker 2.0日本語版」が発表され、DTPの普及が始まったという経緯があります。
DTPとWebデザインの違い
DTPとWebデザインの大きな違いは、それぞれの媒体にあります。
Webデザインはパソコン画面上などデジタル媒体で用いられるのに対して、DTPデザインは雑誌、チラシ、ポスターなど、印刷された紙媒体で用いられるものです。
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DTPで扱われるソフトウェア
DTPではソフトウェアを用いてデザインを作成し、印刷まで進めます。ここでは、DTPで扱われる主なソフトウェアを紹介します。
Adobe Illustrator(アドビ・イラストレーター)
Adobe Illustratorは、省略して「Illustrator/イラストレーター」と呼ばれることが一般的です。イラスト、グラフ、図の作成に欠かせないソフトウェアで、小規模なパンフレットやチラシ作成にも使用されています。
文字や図形などを思い通りに配置でき、また描画や編集がしやすい機能性の高さが特徴です。作成した図像は印刷に最適な形で保存されるためDTP向きのソフトウェアといえるでしょう。
Adobe Photoshop(アドビ・フォトショップ)
Adobe Photoshopは、「Photoshop/フォトショップ」と呼ばれることが多く、写真加工に特化したソフトウェアです。画像の編集や合成を得意としているのが特徴です。
Adobe Photoshopは写真の加工ソフトであり、DTPソフトそのものではありません。一般的には、Adobe Photoshopで加工した画像をDTPソフトに取りこんで使います。
Adobe InDesign(アドビ・インデザイン)
Adobe InDesignはAdobe製のDTPソフトです。レイアウトや文字組みがスムーズにできるほか、複数ページの冊子、電子書籍作成に適しています。
IllustratorやPhotoshopと高い互換性があることが、Adobe InDesignの特徴です。IllustratorやPhotoshopなどで作成・加工した画像を、Adobe InDesignでレイアウトすれば、きれいな印刷物を作成しやすくなるでしょう。また、チームで共同作業をするための機能も充実しています。
QuarkXPress(クォーク・エクスプレス)
QuarkXPressは、DTPレイアウトソフトとして長い間利用されています。Quark社から販売されており、単に「Quark/クォーク」と呼ばれることもあります。
他のソフトに比べて、安定性・信頼性で高い評価を得ているのが特徴的です。現在ではAdobe InDesignのシェアが高いものの、QuarkXPressはDTP業界の標準ソフトとして長らく使用されてきた背景があり、根強い人気を誇ります。
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DTPの職種と仕事内容
DTPのスキルは就職や転職に活かせます。DTP関連の職種と仕事内容について解説します。
DTPデザイナー
DTPデザイナーは、クライアントの要望に応じて紙媒体のデザインを作成する専門家です。デザインするものは、書籍、雑誌、チラシ、ポスターなどさまざまですが、いずれも印刷物に限られます。
美しさや読みやすさに留意し、デザインコンセプトの策定、レイアウト設計、フォントや色の選定、画像の選択と編集など、視覚的要素の全体的なデザインを担当する仕事です。
DTPオペレーター
DTPオペレーターは、DTPソフトウェアを駆使して、デザイナーの原案や指示に基づき具体的な制作作業を行う技術者です。
クライアントとのコミュニケーション、デザインの作成、DTPソフトウェアを用いた制作作業全般を総合的に管理し、プロジェクトを推進する仕事です。
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DTPにおいて求められるスキル
DTP関連の仕事に就くためには、以下のようなスキルが求められます。
デザイン能力
DTPデザイナーやオペレーターは、デザインに触れる仕事です。クライアントの要望に対して高い再現性を求められるため、デザイン能力が必須となります。
そのため、DTPデザイナーやオペレーターになる前に、多くのデザインに触れてデザイン感覚を養う必要があるでしょう。デザインスクールだけでなく、美術館やアートから刺激を受けることもおすすめです。
DTP関連ソフトウェアの操作能力
DTPのデザイナーやオペレーターは複数のデジタルツールを使って印刷データを作成します。そのため、DTP関連のソフトウェアを操作する能力が必要です。
DTPに関する主要な使用ソフトウェアには、先ほどご紹介した「Illustrator」、「Photoshop」、「InDesign」が含まれています。1つを極めるだけでなく、いずれも一通り操作できることが理想でしょう。
コミュニケーション能力
DTP関連の仕事をするには、デザインやソフトウェアだけでなく、コミュニケーションのスキルも必要です。
DTPではクライアントや制作スタッフなど、チーム内でコミュニケーションをとり、1つの印刷物を作りあげます。コミュニケーション能力を発揮することによって、スムーズな意思疎通のもとに良い作品ができあがるでしょう。
DTPに関連する資格
DTPには関連する資格は複数あります。それぞれについて解説します。
DTPエキスパート
DTPエキスパートは、DTPに関するあらゆるスキルを評価する資格です。日本印刷技術協会(JAGAT)が実施するこの試験の内容は、「DTP」「色」「印刷技術」「情報システム」「コミュニケーションと印刷ビジネス」と広範囲にわたり、取得することで就職活動時にも高い実力を示せるでしょう。
受験者は延べ5万人、合格者は2万人を超えているなど、規模の大きさも特徴です。
DTP検定
DTP検定はDTP関連のセンスや技術力を示すことのできる資格試験で、職種別に下記の2つのコースが用意されています。
- ディレクション(DTPII種)
- ビジネス(DTPIII種)
ディレクションコースはマネジメント力に重点を置いているため、企画・編集職や広報職向けの資格です。一方ビジネスコースは、ビジネスドキュメントの作成に重点を置いており、営業職や事務職を含む全てのビジネスパーソン向けといえます。
このように、想定されるシチュエーションに応じて検定内容が分けられており、実践的な資格制度となっているのが特徴です。
Photoshopクリエイター能力認定試験
Photoshopクリエイター能力認定試験は、画像処理用ソフトウェア「Photoshop」に関するスキルを証明できる資格です。
特徴としては、試験内容が実践的であることが挙げられます。合格するためには、限られた時間内にコンテンツ制作を行うための、ソフトウェアの操作スキルが求められます。
Illustratorクリエイター能力認定試験
Illustratorクリエイター能力認定試験は、世界基準のグラフィックツールとして広く用いられる「Illustrator」に関するスキルを測定できる資格試験です。
この試験では、コンテンツ制作に関するスキル認定を目的としています。実際のコンテンツ作成を通して、Illustratorをいかに活用できるかが実践的に測定され、評価が行われる試験です。
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DTPに関するスキルを学ぶ方法
DTPに関するスキルを学ぶ方法は、本・動画・スクールの3つです。実際にソフトウェアを動かしながら本や動画を見ることで、独学でもスキルを高めることは可能です。
ただし、自分で学べるか不安な場合はスクールの利用がおすすめです。スクールなら初級レベルから順を追って教えてもらえるほか、講師のサポートがあって続けやすいこともメリットといえます。
DTPはソフトウェアを使って、一連の出版物の制作をすることです。きれいで実用的な印刷物を作成するには、DTPのスキルが大いに役立ちます。就職や転職においても、需要が高くメリットの大きなスキルといえます。関連する資格も複数あるため、実力を示すうえでも、取得すると自身の強みになるでしょう。
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